BASUDEKU

バス旅のススメ

28歳OLのバス旅合コン体験談

2019-11-27

モテコーデに身を包んで、流行のメイクで合コンに参加したのに、全然いい出会いがなかった…こんな経験がある女性は多いのではないでしょうか。お店に行くまでどんな男性がいるかがわからない合コンは、なんだかコストパフォーマンスが悪いと感じてしまいますよね。

そこで私は居酒屋合コンを卒業し、バス旅合コンというものに参加してみました。

お気軽バス旅のススメ!(岐阜・鳥取編)

コスパがいいバス旅合コン

「バス旅合コンって、なんか怪しくない?」親友からバス旅合コンに誘われたときの私の第一声はこれでした。

しかし親友は「でも、女性の参加費はたったの2000円なんだよ」と言ってきたのです。「2000円なら、まっいいか」と思って私は親友と一緒に参加することにしました。

ちなみに男性の参加費は15000円だそうです。日帰りのバス旅にそんな高額を支払うということは、それだけ真剣に出会いを求めていることだろうと解釈し、バス旅合コンに対する信頼度が増しました。私は山陰地方の田舎で暮らす28歳のOLです。

次の段落から実際にバス旅合コンに参加した体験談を紹介します。

まずは説明を受ける

バス旅合コンを主催しているのは、地元の自治体です。人口の減少を危惧した自治体が、婚活推進事業の一環として独身の男女に出会いの場を提供しているのです。「こんにちは。お二人はこちらの利用が初めてですか?」バス旅合コンの申し込み場所に行くと、シルクのフリルブラウスを着た女性が親しみのあるほほ笑みとともに声をかけてきました。

親友と私は会釈をしながら「はい、そうです」と答えました。その後、パーテーションで区切られたブースへ二人一緒に通されました。案内してくれた女性は40歳くらいで、物腰がとても柔らかいです。そしてマニュアル通りの口調で、説明を始めました。

独身の人たちの間で合コンに対する魅力が失われていること、地方都市において若いカップルの誕生がいかに重要であるかを聞いて、私たちはシリアスな気持ちになりました。しかし次にその女性は「バス旅合コンというと、最初はあまりいいイメージを持たなかったと思います。

本当によく参加する決断をしてくれました。お二人はまだ20代です。こういってはなんですが、当日はきっとモテますよ」と言ったのです。物腰の柔らかい女性からのこの言葉に、私たち二人は顔を見合わせてニンマリしました。

そして女性は「ここだけの話ですよ」という前置きを付けて説明を続けました。「男性が女性に求めるものはすごく単純で、若さや可愛らしさなんです。また若い女性のほうが順応性も高く、おしなべて従順な傾向があり、それも男性から好まれるポイントです。

お二人とも容姿が可愛いから、それはもう人気になると思います。当日は私どもも張り切って、バス旅合コンを運営させていただきますね」と言ったのです。

私たちのバス旅合コンに対する期待値は一気に高まりました。

理想の男性を伝える

一通りの説明を受けた後はそれぞれが男性に求める条件や性格の自己診断などを伝え、女性がその場で問診してパソコンに打ち込み、カルテのようなものを作り始めました。そしてプリントアウトしたカルテに“F”というなんだか符号のような文字を書き込んだのです。

私がすかさず「カルテに書き込んだ“F”って何ですか?」と聞くと、女性は「それを今からご説明します」とピシャリと言われました。その後女性は「バス旅合コンでは、参加者の年代別にいくつかのランクを設けていて、お二人は最高ランクのフローランスに格付けさせていただきました。

カルテに記入した“F”はフローランスの“F”ということになります」と解説したのです。「フローランスの他にはどんなランクがあるんですか?」と私が聞くと、「29歳から35歳まではトリプルエーで、36歳以降は10歳刻みでレディ、大和撫子となっています。

あくまで年齢のみで判断しているので、美人でスタイルがいいからといってフローランスの期間が延びるということはありません」という回答が返ってきました。私たちはフローランスギリギリの年齢で参加できることに安堵しました。

バス内の席をAIが決める!?

いよいよバス旅合コン当日を迎えました。自治体が主催しているので、参加者全員が同じ市内の人です。市役所を出発し公園でお散歩をした後にキャンプ場でバーベキューをするというルートです。私はこのバス旅合コンのためにブランド物の花柄ワンピースを新調したので、先月のお給料がほとんどなくなってしまいました。

出発場所に行って驚かされたのが、バスの中で座る席のことです。初対面の男性ばかりなので、公園までのルートは親友の隣に座ろうと思っていましたが、それは甘い考えでした。なんと申し込みの際に作ったカルテの内容をAIが分析し、マッチしそうな男女が隣同士になるように席が決められていたのです。

これは居酒屋合コンでは味わえない体験です。私の隣に座ったのは、小さな自動車保険会社に勤務する38歳のサラリーマンでした。コシのある太い髪には、ちらほらと白髪が交じり始めています。背中に厚みがあって胴回りも太く、肌はややたるんでいるのですが、それがかえって濃厚なフェロモンに感じられるのです。

私は公園に着いてからもずっとその男性と一緒にいました。会話をしているときのボケとツッコミのタイミングが絶妙なのです。AIが行う分析力の高さを実感しました。

また参加したい!

公園からキャンプ場までの道のりは、2番目にマッチしそうな男女が隣になるように席替えが行われました。隣に座ったのはルックスがイケてる35歳でしたが、職業は農業でした。その男性は令和の時代に新しい潮流を作ることを目指していて、ブランド米の展開について熱く語るのです。

確かにビジョンは素晴らしいのですが、私の花柄ワンピを褒めてくれたこと以外は私に対する質問がほとんどなく、自分のことばかりを話す態度に好感が持てませんでした。バーベキューを楽しんだ後は、告白タイムです。2番目にマッチング確率が高い男性から「まずはお友達から始めて、将来的には僕と一緒に農業をやりましょう!」と告白されたのですが、お断りさせていただきました。

今回はお付き合いに発展しませんでしたが、AI分析の座席に魅力を感じたので、次回もバス旅合コンが開催されるなら、また参加しようと思います。ただし参加者は地元の人ばかりで何度も参加しているとお互いが顔見知りになってしまいそうなので、フローランスのうちに理想の男性と出会いたいです。